2000年頃からのデジタルカメラの普及により、フィルムメーカーでは製造中止や写真フィルム事業からの撤退、縮小という事態に陥っています。フィルムカメラ作品は永久に不滅であって欲しいと思いますが、このままではデジタルカメラで撮影された写真集ばかりになってしまいます。品切れになった写真集を再販されることも少なくなってきましたが、せめて写真集という形だけでも、ポラロイドカメラやフィルムカメラの良さを後世に残していきたい。一人の若輩者の書店員ではありますがフィルムカメラの良さを伝える責務を私なりに感じております。
最新の技術を駆使したような写真家 野波浩の作品は、フィルムカメラと彼の手のみによって造り出されている。CGなど一切使用せず、すべてが地道な手作業。この作品はデジタルでは出せないと言い放っていたのも、フィルムの製造中止などにより材料の入手が困難になってきており、従来どおりの制作方法を少し見直されているようです。
野波浩作品の実際のプリントを見たことのある方は皆さん本当に驚かれています。作品ひとつひとつにとても奥行きがあり、色のグラデーションは微妙なトーンで濃度を変え、観る者を一気に魅了しその世界へ誘われます。
フィルムカメラの良さを最大限に活かした、さまざまな作家の素晴しい作品を今後も大切に販売していきたいです。
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