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WEBサイト ![]() 店舗案内・ネット通販・ギャラリー情報・フェア情報など アセンス書店日記は、大阪の書店心斎橋アセンスの芸術書・洋書担当スタッフによって運営しています。 ツイッターも随時更新中! ![]() 心斎橋アセンス 大阪市中央区心斎橋1丁目6番10号 tel:06-6253-0185 mail: info◎athens.co.jp ※◎を半角の@に直してください ![]() 新店舗『ARDOUR(アーダ)』の店内案内・商品情報・フェア情報など アセンス情報局
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今、アセンスでオススメしている写真集の1つ鷲尾和彦写真集『極東ホテル』 鷲尾和彦さんは作品を見て下さる方、写真集を販売している書店員とのコミュニケーションを大事に思ってくださいます。世界各国のたくさんの人々とのコミュニケーションをとってカタチとなった『極東ホテル』を通じて、さらに人々とのコミュニケーションを広めていかれるのですね。 ![]() Q1 なぜこのホテルに宿泊しようと思ったのでしょうか? なぜ、このホテルに宿泊するバックパッカーの方たちを撮ろうと思ったのですか? A 「ホテル」といっても、ここは元々、日雇い労働者向けの簡易宿ですので、三畳程度の個室がずらっと並んでいるだけの場所です。ドミトリーのような和やかな環境でもない。それに親しい故郷でもない、高揚感に包まれた異国の町の中でもない。この小さな個室はまるで無重力空間のようであり、そして全くのプライベートな場所です。ガイドブックやインターネットを駆使して様々な国からやって来ては通り過ぎていく彼らの姿をじっと見ていると、まるでここが「世界の中心」のように思えてきました。そして、高度に情報化したグローバル社会をも象徴しているように感じたのです。 ポートレート以外にも、部屋の様子、彼らがこの国で手に入れたもの、ホテルの周辺なども撮影しています。しかし、あえてポートレートだけに絞りました。周辺の情景や気分ではなく、見知らぬ「他者の存在」の向こうに、どこまで世界の広がりを感じられるか、想像できるのか、ということが僕が提示したい一番のテーマであり、そのことに挑みたかったからです。 それは、逆に言えば、「他者」を受け入れ、「他者」を想像する機会が、否が応にも閉じがちな今の社会に対する僕のステイトメントでもあり、そして今この時代に「写真」が出来ることの重要なテーマであると思っているからでもあるのです。 今も、このホテルに宿泊しに行くことを続けているのですか? A 2009年の秋以降、いったん離れています。写真集を刊行した直後の今は、僕自身このテーマを客観的に見つめる時でもあると思っています。しかし、ある時期を経て、再びまた「極東ホテル」に帰っていくことになる予感はしていますし、そうしたいと思っています。きっとその時には、また新しい人たちや、新しい流れにも出会うだろうし、新しいものが見えてくるでしょう。僕自身もすごく楽しみにしているんです。 GRAPH 北川一成さんによる他ではみない装幀への感想を聞かせてください。 A 写真そのものと、そこに映っている人々が持つ生々しさとをそのまま伝えること。それが北川さんと編集者である赤々舎の姫野さんと3人で考えたことでした。その結果、表紙もなく、終わりもない、というデザインになりました。 先日、ある大きな書店を訪れた時に、店頭で他の新刊写真集の間に並んでいるのを見て、「なんて繊細で、フラジャイルなことをしているんだろう」と感じました。そして、その時にこのデザインで良かった、と改めて思いました。繊細さ、フラジャイルさ、「出来上がり」ではなくて「過程」をそのまま投げ出すことは確かに物質的には「弱い存在」だと思います。しかし、それが僕自身のテーマと、写真家としての存在を鮮明にしている限りにおいて、その「弱さ」は、ひとつの「強さ」でもあると思います。 この写真集を観た方からの感想で印象的な言葉はありましたか? それはどういう言葉ですか? A 本当に様々な意見を頂いています。勿論、その中には批判的な意見もありますが、それも含めて様々な意見を聞けることは本当に嬉しく思います。特に最近お伺いして印象的だったのは、2つ。 「夜寝る前に何度も何度も見返します。まるでこの写真集の中に自分自身が溶け込んでいくような感覚を覚えます。」 そして「後ろについている何も書かれていない紙に、私は自分のセルフポートレートを貼って、自分がしてきた旅のことを書いてみたい。」という感想でした。 きっとこの写真集は、朽ちていくだろうし、ぼろぼろになったりしていくでしょう。 でもそこに、読者との親密が関係性が埋め込まれていって、いわば一緒に写真と読者とが旅に同乗していった結果、本が朽ちていくのなら、それは本望です。 今後、撮りたいものは何ですか? A 確かに具体的に興味のある対象はいくつもあります。『ネイバーフッド』という今住んでいる地域を撮り続けているシリーズ、別のポートレートのシリーズもあります。しかし、僕はどんな身近でささやかなものでも、それは永遠に心を掻き立てる物語を持ってこの世に存在しているように思います。何を「撮る」かということ以上に、何を「受けとる」か、ということ。僕はその意味で、とても受身だと思います。それがテーマとなり、プロジェクトとなるには、そこに幸運な出会うやタイミングがやっぱり必要な気がしています。そしてそんな幸運な出会いがやってきた時に、それを瞬時に受けとれるように、心の準備だけはいつでもしておくこと。その時新しい作品が生まれると思います。 好きな写真家はいらっしゃいますか? A エド・ヴァン・デル・エルスケン(Ed van der Elsken)、ダニー・ライアン(Danny Lyon)、 そして星野道夫さんの3人です。 書店に自身の写真集が並んでいるのを見て、一言お願いします。 A 「どうか末永くかわいがってやってください!」 出来る限り時間があれば直接書店の方ともお話出来ればと思って出かけています。写真集がなかな売れない時代ですが、僕自身はやっぱり「写真」の力を信じているし、作品や写真集を出せばいいというだけではないとも思っています。写真家や、写真集を届けたいと思っている書店の方が再び出会うことで、もっと多くの人に届く機会を丁寧に作っていければと思っています。実際に書店の方々とお話する中で、新しいアイデアも浮かんだりしますし。先日も「写真集やアート関連の売り場だけでなく、旅のガイドブック売り場などに置けないかな」というアイデアをお伺いしました。僕もそういう人にこそ手にとってもらいたいなと思っています。 ![]() 鷲尾和彦写真集『極東ホテル』 寄稿:池澤夏樹 装幀:北川一成 本文96ページ/日本語, 英語/25.2 x 18.4 x 2.8 cm/価格¥2,940 今ならサイン本をご用意できます。 ★アセンスウェブページへ <鷲尾和彦 わしお かずひこ> 写真家。兵庫県生まれ。早稲田大学教育学部社会科学専修卒業。 10代前半から音楽活動をはじめ、20代後半に初めてカメラを購入。独学で写真活動に取り組む。ガーディアン・ガーデン主催「フォトドキュメンタリーNIPPON」入選(2006年)など。 現在、写真家としての活動と並行し、株式会社博報堂のプロデューサーとして「環境」「サステナビリティ」をテーマにした多くの企画プロデュースを手掛けている。 鷲尾和彦オフィシャルサイト → http://www.washiokazuhiko.jp by athens_co | 2010-01-27 13:28 | 写真家へのインタビュー | Trackback
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