東京都台東区、かって「山谷」と呼ばれていた日雇い労働者の町として知られていた地区に建つ外国人旅行者専用の宿。この一軒の宿へやってくるバックパッカーたちのポートレートを約5年かけて撮影した数百枚の写真から抜粋した写真集
『極東ホテル』。
グラフィックデザイナー北川一成による装丁デザインは表紙がない。タイトルなどが掲載されている帯を取ると、いきなり本文であるポートレートがはじまっている。その上後半の半分ほどはピンクとブルーの紙を綴じフリースペースになっているという他には見ない作り。写真集というより、もっと気さくな写真ファイルを思わせます。この写真集を見ている自分がとてもちっぽけな生き物だと感じた。それでいい。
作家 池澤夏樹による書き下ろしエッセイ
「寂しい惑星 (ロンリープラネット)」を収録。
『多くを語る必要はない、ただ静かに見つめるだけでいい。その時、この世界を漂い続ける小さな欠片である僕たちは、もう一度出会うことが出来るのだと思う。』 -鷲尾和彦-