『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』
Chim↑Pom 編/阿部謙一 編
~広島上空に飛行機雲で「ピカッ」と書いたアーティストの行為が、被爆者団体を前に謝罪会見を開く「騒動」に発展。その顛末を検証し、「原爆と平和」「表現の自由」など社会的命題を考察。~
被爆者の方や広島の人達にとっては私達が考えているより敏感になることでしょう。不愉快にさせるために決行したアートではなく、反戦の意味を込めているのですが、やはり「騒動」になってしまった。題材が題材なだけに賛否両論の意見があって然り。
ただ重要だと思うのは、驚かすだけのやりっぱなしのやり逃げアートではなく、「ピカッ」騒動をあらためて検証し、美術家や美術関係者にも意見を求め、被爆者団体などがChim↑Pomへの批判を含めるなど、さまざまな視点から考察することに意味があるように思います。この本はその部分をピックアップされた本です。
<Chim↑Pom (チン ポム)>
2005年8月に結成された6人組アーティスト集団。渋谷センター街のネズミを有名キャラに模した《スーパーラット》で衝撃デビュー後、数々の話題作を制作。
2010年3月初の作品集
『Chim↑Pom』発売。アーティスト集団の5年間に及ぶ活動の全軌跡が今、初めて明かされる。