ウタ・バース写真集
『The Long Now』
ロサンゼルスを拠点に作品作りをする写真家 ウタ・バース(Uta Barth)。
静かで平凡な空間を撮りながら独特の感性が光ります。
変な表現ですが、なんとなく日本の侘び寂びのようなひき算の感性が感じられる作品だと思った。
作品のブレやボケ、構図の取り方、柔らかな色彩、浅い色のトーン、写真集に作品を配置するレイアウトと白バックの量、どれも「閒」がいい。
若手作家の写真作品によく見られるような、やり過ぎの容量オーバーな感じがあり、良い作品というのがもう1歩手前がいいとするならば、ウタ・バースの作品はさらにもう1歩手前のもどかしさにとどめる感じでしょうか。
「...And of Time」などの代表作から、2010年の最新作「...to Walk Without Destination and to See Only to See」などを収めた作品集。